新型コロナウィルス感染症対策についての要望
2020年5月15日
新型コロナウィルス感染症対策についての要望
愛知県立大学長
久冨木原玲 殿
愛知県立大学教職員組合
執行委員長 小池康弘
今般の新型コロナウィルス感染症対策に関して以下のことを要望します。ただし、ここで言う「教職員」には契約職員を含みます。
新型コロナウィルス感染症による現在の状況は、現代日本社会がはじめて遭遇する非常事態です。このような状況の下で、ある程度、大学の機能が低下するのは避けられないと考えます。しかし、本学が“機能不全”に陥ることになる、あるいは、教育の質が著しく低下することは避けなくてはなりません。また、当然のことながら、すべての教職員をこの感染症から守らなくてはなりません。
このような基本的認識から本組合は以下のことを要望します。
〇 職員の「勤務シフト」を、職場感染のリスクのより低いものにすること
始められた 2 グループへの分割と隔日勤務で抑えられる感染リスクは限られている。2 グループを週単位交代で勤務させる方がより感染リスクは低くなるものと考えられる。
〇 感染した場合に重症化のリスクが高いとされる基礎疾患(高血圧、糖尿病、心不全、呼吸器疾患、癌の既往など)を有する職員を一時的に少ない人数の部署に異動させること
〇 教員が立替払いをおこなう際の手続きを柔軟にすること
在宅勤務が推奨されている現在において、教員の立替払いのケースは増加するものと考えられる。しかし、現在のルールは今般の新型コロナウィルス感染症対策を想定したものではない。例えば、「立替払いでの請求・検収」で、「購入から 1 週間以内に、以下を揃えて検収窓口に提出し、検収を受けます。」としている箇所などは、在宅勤務を推奨する国や県の政策に明らかに矛盾すると言わざるを得ない。早急に改善されるべきである。
〇 遠隔授業が困難な教員に対して、必要とされるサポートをすること
〇 例年より多くの負担をお願いすることになる非常勤講師に補助金を支払うこと
大学の教育全体の質は、専任だけでなく非常勤を含めた教員集団全体によって保たれている。遠隔授業のため、非常勤講師も Teams の習熟や遠隔授業用の新たなコンテンツ作成など、授業の質を落とさないため新たな準備・作業時間を割いている。なかには、新たなソフトや機器を購入する必要のある方をおられることであろう。本学がその労力を無視すれば、非常勤講師の士気や授業のクオリティが低下する懸念が生じる。ちなみに、中京大学においては、非常勤講師に月額 3,000 円の補助金を支払うことになっている。
先日、神戸市中央区にある市立医療センター中央市民病院の医師などのグループは、神戸市の病院を受診した新型コロナウィルス以外の患者 1000 人を対象にした調査で、およそ3.3%から新型コロナウィルスに感染していたことを示す抗体が検出されたと発表しました。もし、これが日本社会全体に適用できるものであるならば、およそ 30 人に一人の割合で、過去に新型コロナウィルスに感染したものがいることになります。学務課であれば 1 人はこれまでに“知らないうちに”感染していても不思議のない数値です。
近日中にも、本学教職員での感染確認がされるかもしれません。大学には、「もし、感染者が確認されたら」ではなく、「必ず感染者は確認される」という認識で、対策を行って頂きたく考えます。
専門家のみなさんが言われているように、このウィルスはたいへん厄介なウィルスです。たくさんの無症候性感染者がいたり、軽症者が突然重症化して死亡したりと、これまでの日本で経験のない状況生んでいます。
愛知県立大学から新型コロナウィルスの犠牲者を生まないために、高いレベルの対策を要望致します。