2013年 6 月 20日

2013年度 組合活動方針

2013年度の定期大会にて、以下の活動方針が採択されました。

<2013年度 組合活動方針>
愛知県立大学教職員組合執行委員会(2013年6月19日)

はじめに…教職員にとって充実した職場であるために…

愛知県立大学において、2013年度から第2期中期計画・目標が始まり、新たな計画・目標に基づき大学運営が開始されました。
本学に対して、地域・社会から寄せられる期待や求められる要望が多いにもかかわらず、愛知県の緊縮財政の影響を受けた大学運営予算の削減は継続して実施されており、いずれかの部分で歪みが生じてくることが危惧されます。その歪みをできるだけ最小に食い止めるために笹津恭士理事長、高島忠義学長には設置責任のある愛知県に対し、予算確保を始めさまざまな諸問題に尽力されることを要求します。もし我々教職員の待遇や職場環境の悪化につながるような問題が生じるのであれば、組合として断固として闘わなければなりません。
「知の拠点」であり「最高学府」である大学という職場は、地域社会におけるさまざまな事業場の見本であり、未来を先取るものであります。また、大学で働く我々教職員は、いずれ社会人・労働者として巣立つ学生たちにとって、常に模範となることが求められます。そのような期待に応えるためにも、教職員一人ひとりの研究環境や職場環境を適切に確保し、自身の研究や業務に対して充実感を抱けるようにする必要があります。
愛知県立大学の飛躍・発展、そして本学の重要な構成員である学生たち、さらに地域社会にとって、十分な魅力のある大学になるためにも、全構成員の知恵を結集する民主的な大学運営と教職員の研究環境、職場環境の改善は重要です。

重点要求項目(★は最重点要求項目)
Ⅰ 勤務労働条件改善への取り組み
Ⅰ-1 給与・手当の改善
第2期中期計画を実施するにあたり、本学が「なくてはならない大学」になるためにも、それを担う教職員に対して、満足できる待遇を確保することが必要である。しかし、今年度から始まった給与の3%削減などにより多くの教職員の年間給与総額は減少している。また昨年度、年度途中に急遽行われた退職金の削減の決定は、退職後の生活不安を増加させるとともに、年度末の大学運営に支障をきたした。このような運営費交付金削減等により大学予算が十分に確保する事ができない中においても、組合は、本学の発展の基盤として教職員が将来の生活設計に見通しを立て、日々希望を抱いてその業務にあたることができるような待遇を得られることに取り組んでいく。
(1) 教職員の給与・手当の改善 ★
安定した労働環境の保証と優秀な教職員の確保のために、これ以上の給与等の削減には断固として反対し、教職員の雇用制度、給与制度を改善することを要求する。
また、入試業務においては、教員に対して、秘匿義務や作問責任など精神的負担がかかるとともに、出典参考とする書籍購入などの経済的な負担が必要となる。そこで、多くの大学において通常取り入れられており、法人化前には制度化されていた学部、大学院の入試問題作成手当(作問手当)の復活を継続して要求する。
(2) 非常勤講師の待遇改善
現時点においても、本学の教育を支えている非常勤講師の処遇について、今後も継続して良質な教育を提供してもらうためにも、報酬などの待遇の改善を要求する。
(3) 勤務労働条件の不利益変更に対する代償措置の確保等の取り組み
2011年度に削減された住宅手当に対する代償措置は、いまだとられていない。このような、勤務労働条件の不利益変更に対する事前の交渉を徹底させるとともに、代償措置を要求することで、勤務労働条件改善の取り組みを進める。

Ⅰ-2 教職員評価の実施の適正化 ★
教職員に対する評価が、まじめに一生懸命働く者へのインセンティヴとなり、より良い労働環境を確立することに寄与するためには、その評価制度が公平性と透明性をもって運用されることが重要となる。そのためには、試行及び実施の際に生じた問題や課題を洗い出し、その改善を図っていく必要がある。
しかし、教職員評価制度が導入されて以来、このような報告がないまま、本格導入されたことで、評価制度の透明性や公平性などに対して疑念や課題が生じている。
そこで、現在の評価制度の問題点・課題の報告を当局に求めるとともに、問題点や課題に対する改善を要求し、評価制度が適正に運用されることを要求する。

Ⅰ-3 勤務労働条件に関わる制度改善
(1) 休日出勤の代償の実質化
大学入試センター試験の監督業務など土日などの休日に業務を行った場合、振替休日を取得しようとしても本学試験時期とも重なり取得が難しい場合がある。そこで、働く環境において振替休日が取得しやすい雰囲気を醸成するとともに、やむをえず振替休日が取得できない場合、休日出勤扱いし手当を付けるなど実質的な休日出勤に対する代償が容易に得られるような職場環境となることを要求する。
(2) 契約職員の待遇改善  ★
本学において契約職員は、事務職員の半数近くを占め、正規職員と同等の責任や業務量を行うなど、法人の事務組織の運営には欠かせない。しかし、有期雇用契約であるため、その任期は最長5年と定められ、腰を据えて仕事ができないため、十分に能力を発揮することが難しい環境となっている。そこで、5年を超えても必要な業務を担当する契約職員に対しては、正規職員として雇用されることを求めるとともに、契約職員に対する待遇改善として以下の要求実現に取り組む。
① 契約職員が大学勤務を通じて得られた知識や経験をより効果的に活用するために、本法人専任職員採用試験において、契約職員が受験する際の優遇措置の設定を求める。
② 労働契約法の改正により、契約職員が不利益とならないことを求める。
③ 超過勤務が頻繁に発生しないような適切な人員配置を求めるとともに、やむを得ず超過勤務が発生した場合においても、超過勤務手当が気兼ねなく申請できるような職場環境となることを求める。
④ 本学における一部の時間給の契約職員(いわゆるアルバイト職員)においては、月給の契約職員や正規職員並みの職務を行っている者もいるが、現状ではアルバイト職員の1時間当たりの給与額はどのような職務においても一律の金額となっている。そこで、アルバイト職員に対してその職務に見合う給与の設定を求める。
(3) 教員の割愛等に関わる待遇保障の制度改善
引き続き、他大学等から本学に赴任する教員の給与について、不服申し立て制度を含む適正な前歴換算の制度の確立を求める。また、国公立大学間での割愛等に伴う不利益をなくすため、退職金の通算制度の確立を求める。
さらに、赴任する際の引っ越しに伴う赴任手当等の拡充並びに対象者への周知の徹底を求める。
(4) 非常勤講師の適切な活用 ★
本学教育の一翼を担う非常勤講師を適切に活用することで、学生に対する教育効果を高め、専任教員がより充実した研究・教育活動を行うことができる。
そこで、非常勤講師を一方的に削減されることなく適切に活用できるよう、非常勤講師の委嘱に関する原則について、大学教育の専門性を配慮した議論を経て決定されるよう求める。

Ⅰ-4 教員の教育・研究環境の確保 ★
教員の教育・研究環境の確保について、教員の適正配置について検討し、教授枠52%の問題の改善を要求する。
また、教養教育の改革等に伴い、専任教員の負担の増加や不公平が生じないことを求める。やむをえず、担当コマ数の増加など、専任教員の負担の増加や、特定の専任教員に負担が集中するなどの負担の不公平が生じた場合、教員の大学運営業務の見直しを行うなど負担の削減や何らかの手当の支給など不公平の是正対策を行うことを求める。

Ⅱ 民主的な大学運営への取り組み
Ⅱ-1 大学運営への取り組み   ★
2013年度は第2期中期計画が開始した年度であり、今後5年間における本学の将来を見通し、組合としても適切な大学運営を求める。そのために、学内教研等を通じて、全国の大学運営をめぐる情勢についての学習活動を進める。
また、大学の教育研究部門のトップとして高島忠義新学長が就任して2年目であり、組合としても、大学との更なる信頼関係の構築を追求するとともに、それを基盤として、大学の民主的運営に関わる諸課題の解決に取り組む。とりわけ、本年度より実施されたセンター改組にあたっては、大学の構成員の十分な議論が反映されたとはいえない状況がある。今後、大学運営においては、学長自らが大学改革のヴィジョンを示し、計画的に提案し、民主的な議論を尊重し、各実務担当者の意見に耳を傾け、適切なリーダーシップを発揮することを求めるとともに、新センター及びその管理職の機能の効果について検証を求める。

Ⅱ-2 諸要求実現への取り組み
運営費交付金が減額されつつある中で、組合は、県大に働く我々「労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべき」(労働基準法第1条)労働条件を確保し、その改善に向けて取り組む。
(1)組合員の要求に基づく定例的の労使協議の実現  ★
大学の教職員を取り巻く諸問題を把握し適切な要求を実現するために、組合員アンケートを実施し、とりまとめた要求を法人・大学当局に提出する。
また、従来の大学運営当局との交渉とは別に、信頼関係に基づく労使間の定例的な協議を実施する。
(2)学生の就学支援 ★
魅力的な大学づくりの一側面として学生の経済的負担の軽減は重要である。しかし、今年度より、本学の授業料減免予算が削減された。大学運営費交付金の削減によるやむをえない措置とはいえ、学生の経済的負担に関する法人の姿勢を確認するとともに、
学生が十分に勉学に励むことができるよう、就学支援の改善策を求める。
(3) 安全衛生委員会
組合の代表者が委員として参加する安全衛生委員会(委員9名中、組合代表3名)を重視・活用し、特に労働安全衛生に関わる諸問題について組合員の意見を大学運営に反映させる。
(4) 職場環境改善
職場環境改善に向け、管理職のマネジメント能力を向上させ、より適切なマネジメントを行うために以下の意識や行動を求めるとともに、組織体を活性化させ、個々の教職員が充実した成果を残せる職場環境を形成するよう求めるものとする。
① 管理職による教職員に対する計画的な業務遂行の実施
やむを得ない場合を除き、急な業務指示など無計画な業務の遂行は教職員にとって、超過勤務を発生させる原因となる。したがって、管理職は所管組織の業務負荷状況を考慮しつつ計画的かつ的確な業務遂行をするよう求める。

② マネジメント能力向上の研修
適切なサポートやアドバイスにより、教職員の業務軽減を図ることは、管理職の職務の一つである。このため、管理職になってからマネジメント研修等を実施するのではなく、各職位段階で次のポストを見据えた研修を行い、適切に活躍できる教職員を育成していける環境を整えるよう求める。
③ 重複業務の改善、削減
本学の組織において、過去の経緯を引きずった縦割り構造組織が散見させるため、セクション単位、教員組織と事務職員組織単位で重複した業務を行っている場合も見受けられる。さらに、セクション単位での業務の整理が十分でないため、セクションに関係なく、人に仕事が着いて回るという事象も散見される。
このため、こうした重複業務を洗い出し適正なセクションに集中化するよう改善を求めるとともに、人に仕事がついて回ることで当該者に負担が増えることのないように、また異動により仕事が滞るようなことのないよう、業務の適正化を図ることを求めるものとする。
(5) 防災対策
東日本大震災の惨禍をふまえ、本学として近い将来に発生が予想される東海・東南海・南海連動型地震に対応した防災対策の更なる取り組みを追求する。
(6) 防犯・安全対策
全国の大学において不審者侵入、窃盗、暴行など事件・事故が少なからず発生しており、本学においてもこのような事件・事故が起こる恐れがある。このような事件・事故に本学の教職員や学生が巻き込まれないよう、学内の安全確保は重要な課題である。本学では、日中は守衛による入構チェックや夜間の巡回を行っているが、学内施設において照明が不十分な箇所もあり、照明が行き届かない箇所も見受けられるなど、十分な事件・事故の防止策が講じられているとは言い難いのが現状である。
そこで、学内環境並びに教職員や学生の安全確保の観点から以下の項目を要求していく。
① 学内防犯体制・設備の充実
事件・事故が発生してから対策を講じるのではなく、日ごろから学生が安心して学べる環境となるためには、教職員は万が一の際には十分な対応が取れるような体制と日頃の訓練が必要となる。また、学内で発生した事件・事故や軽微なトラブルなどのインシデントについて、事象や予防措置などの情報を共有することでトラブルに対して適切な対応を行う事ができるようになる。
そこで、トラブルを未然に防ぐための訓練などの方策を講じるとともに情報共有できるような体制を求める。
② 救命機器の充実と訓練の実施
学内において、事件・事故又は病気などにより、教職員、学生が心肺停止した場合、AEDによる蘇生措置は重要である。しかし、研究棟最上階などAED設置場所から遠い場所でAEDが必要となった場合などにおいては、その場にAEDを持参するだけでもかなりの時間を要してしまい、必要な蘇生措置が間に合わない恐れがある。そこで、AED等救命機器の増設、ならびにAEDの利用訓練の普及を求める。
③ 屋外夜間照明の増設
学生の課外活動施設や教室棟から課外活動施設へ通ずる道筋などでは、照明設備が十分でない箇所がある。また、キャンパス中央付近においては、段差箇所が分かり難く夜間につまずく学生もいる。地面がタイル又はコンクリートであることを考慮すると、照明が不十分であることにより転倒などにより怪我が発生する恐れがある。そこで、照明が不十分な箇所への照明設備の増設を求める。
④ リニモ駅から本学までの安全確保
リニモ駅から本学までの通勤通学において、リニモ駅前の横断歩道を渡る際、歩行者が横断中にもかかわらず同方向左折車両の停車が求められる。そのため、車両が強引に左折したり、一旦直進した上で第2通行帯を左折したりするなど、横断歩道を渡っている歩行者が危険となる状況が少なからず発生している。そこで、管轄行政に横断歩道のスクランブル化や時差信号作動を依頼するなど、安全に通勤通学ができるようにすることを求める。
⑤ 学生相談体制の充実
生活上の問題・トラブルやメンタル面でサポートが必要な学生に対して、現在でも学生相談委員会などでサポートを行っているが、より一層のサポートができるよう、学生のニーズがあるカウンセラーの増員など更なる学生相談に対するサポート体制の充実を求める。

重点活動項目

1 組合の組織拡大
守山キャンパスも同じ大学として、共通する課題もある。また、長久手キャンパスから異動していった組合員の職員もおり、この組合員の活動に配慮しなければならない。守山キャンパスの教員組合と連携するとともに、組合の統一の可能性を探る。
更に、組合に入ることのメリットを感じられるような組合活動とその広報に努め、組合の未加入者に対して組合加入を積極的に勧める。

2 顧問弁護士による法律相談等の活用
組合員の生活を守り、充実した職場環境をつくるため、昨年度より実施している本組合の顧問弁護士による法律相談が効果的に活用されるように、宣伝や啓発を行う。

3 組合員の親睦・交流
組合員の文化的活動・レクレーション・健康保持等に関する要望に基づいて、相互の親睦・交流を図り、働きやすい職場環境をつくる。組合のグループ活動補助費を活用して、昼休憩時間等を利用して気軽に参加でき、楽しめる企画の実施を推進する。また、安心して産休・育休、介護休暇が取れ、子育てや介護の不安や疲労の軽減につながるような取り組みを行う。

4 重点要求項目に関する情報収集と議論
教員評価制度、愛知県の財政状況・政策、震災・防災等の重点要求項目に関連する問題に関して、教研集会や他団体との連携等を通じて、情報収集と議論を行う。

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Posted on 6 月 20th, 2013 by admin and filed under お知らせ |