2014年 1 月 30日

役員交渉要求項目

役員交渉(学長・理事長交渉)における要求項目は以下の通りです。
[開催予定日2014年1月31日(金)]

1. 給与・手当の改善
(1) 教職員の退職手当の調整率の回復
法人より、2013年2月1日に、給与抑制と退職手当の見直しの提案があり、その提案を受けて本組合としては、教職員の生活や労働意欲に少なからぬ影響を与えるものではあるが、本学を取り巻く情勢を鑑み、抑制についてやむを得ないと意見を付して了解をしております。
給与抑制につきましては、愛知県より、2014年1月14日に「社会情勢を鑑み来年度の県職員の給与の抑制を行わない」旨の発表があり、翌15日に理事長より「法人においても、来年度は一般教職員に対する給与抑制を行わない」旨の説明がありました。本件につきましては、理事長の速やかなご判断、誠にありがたく思います。
しかしながら、退職手当の調整の引き下げにつきましては、昨年度と同様となっております。退職手当につきましては、2012年11月16日に国会で成立し、翌年1月1日に施行された『改正国家公務員退職手当法』を踏まえ、県も2012年12月の県議会での条例改正により退職金を引き下げた経緯があります。本学においては、大学の安定的な運営のため、退職手当は県に申請の上、『特定運営費交付金』として単年度ごとに交付されているという事情があり、県に準拠しなければならないことは理解しております。しかし、退職手当の性格として、『国家公務員退職手当の支給の在り方等に関する検討会 報告書(2008年6月4日 総務省 人事・恩給局参事官室)』に「国家公務員の退職手当の基本的な性格については、従来、民間における退職金と同様に、勤続報償的、生活保障的、賃金後払い的な性格をそれぞれ有し、これらの要素が不可分的に混合しているもの」とされているとおり、本学の退職手当も、これに準じ給与の後払いという性格があると云えます。この給与の後払いは過去の労働に対する報酬を退職時に一括して支払うものであるとの考えですので、支払う際に減額する事は、如何なものかと考えます。そこで、退職手当の調整率につきましても、従前通りの水準に戻すことを求めます。

(2)  時給契約職員(いわゆるアルバイト)の待遇改善
時給契約職員(いわゆるアルバイト)の時間給は現在820円となっています(契約職員就業規則第19条3項(別表第2)より)。この金額は、2011年4月1日の改訂において800円から820円に上がった後、変更はありません。しかし、この期間、愛知県の最低賃金が、750円(2011年)から780円(2013年度)と4%上昇しています。また、現在の東海地区における事務系・一般事務のアルバイトの平均時給が881円(2013年10月度アルバイト・パート募集時平均時給調査((株)リクルートジョブズ 2013年11月20日プレスリリース)より)となっており、この平均時給に比べ、本学の時間給は比較的低位の水準となっております。
そこで、最低賃金上昇および東海地区の時給の相場を鑑み、時給契約職員の時間給を、現在の820円から860円(4.9%上昇)にあげることを要求します。

(3) 入試業務に対する手当の設置
現在、教員に対する入試手当は、大学入試センター試験以外の入試の作問、監督、採点など入試業務に対する手当は支給されていません。
大学入試業務は、県大としてより良い大学となるために必要となる学生の質を確保するために重要な業務です。また、入試に使用する問題は、県大の顔として高校生など関係者に広く目に留まるものであり、この問題の質は大学としての評判に大きく影響を与えるものです。このため、入試問題を作成する作問作業は、教員に対して多大な時間と労力を強いるものです。さらに、監督、面接及び採点などの入試業務は、大学入試の公平性と明確性を十分に確保する必要があるため、現在、教員、職員とも相当な労力を費やしております。
しかし、これら入試に関する業務については、すべての教員が平等に行っているのではなく、一部の選ばれた教員が行っているため、入試に関する業務について教員内で偏りが発生しています。また、これらの入試業務は、受験生に対する便宜を図るとともに、教員の教育、研究活動に支障をきたさないよう、休日に行う事が多くなっていますが、教育、研究活動又は大学運営業務の都合により、休日に出勤した分を平日の勤務に振り替えることが困難な場合が多々あります。さらに、本来であれば、超過勤務手当の対象となるところですが、申請に関する事務手続きの煩雑さ、不明確さから、事実上残業手当を要求できないという実態があります。過去、県大においても入試に関する手当がありましたが、県からの指示(依頼)により廃止されたという経緯があり、現在はその代替措置として作問に関する手当に相当する分の時間外勤務手当が支給されている状況ですが、これは時間外勤務手当の本来の主旨(残業の対価)と異なり問題のある運用となります。
以上の事を鑑み、国立大学や大阪府立大学及び近隣の国公立大学(名大、名工大、名市大、静県大、滋県大など)等で出されているように、作問、監督及び採点など入試業務に対する手当を要求します。

(4) 教授枠52%の弾力的な運用 及び 准教授の給与面での処遇の復活
本学では、教授枠が教員の52%となっており、教員の定員削減とも相俟って、教授の資格に値する経歴・業績がありながら長年准教授に留まらざるを得ない教員が少なからずおり、同じくらいの講師・准教授歴と業績がありながら教授に昇任できる時期に人によってかなりの違いが生じるため、給与面に不平等が生じています。
また、以前は、講師・助教授歴15年以上で号級がアップする措置がありましたが、愛知県職員の規程改正にともなってその措置がなくなり、長年准教授に留まらざるを得ない教員に対する処遇が悪化しています。
そこで、教授枠52%の弾力的な運用とともに、講師・准教授歴15年以上の教員に対する給与面での処遇の復活、または、これを配慮した教員評価による給与面への反映を要求します。

2. 教職員評価の適正化
教職員に対する評価制度については、昨今の情勢を踏まえ廃止することは困難であると理解しております。そこで組合として、この制度を教職員にとってより良いものにするため、公正明大かつ公平な評価ができる制度にしなければならないと考えております。その点を踏まえ、教職員に対する評価制度にたいして、組合として、以下の5点を要求します。

(1) 試行段階での成果、課題・問題点および改善策の説明
教職員に対して実施している評価制度は、当初、試行を行いその試行段階で発生した課題、問題点を改善した上で成果としてとりまとめ、評価制度を本格実施するとされておりました。しかし、現在に至るまで、試行段階における状況の説明がされた形跡がありません。
そこで、評価制度の試行段階における課題、問題点およびそれらの改善結果ならびに評価制度の成果について、説明することを要求します。

(2) 評価制度の主旨、目的および内容に対する周知・説明の徹底
教職員の中には、この評価制度の主旨、目的および内容を十分に把握しておらず、この評価がどのように運用されているかを理解されていない方が多く見受けられます。このような状況では、いくら良い評価制度であっても、十分に生かし切れないとともに、評価制度そのものに疑問を生じる恐れがあります。
そこで、現在、実施している評価制度について、これまでの実施状況に対する意見を集約し、問題点・課題を把握した上で、その主旨、目的および内容、課題に関し本学教職員の全員が十分に理解できるよう、説明することを要求します。また、説明にあたり、年により評価する人、評価される人が変わる恐れがあり、また、制度の運用に変化が生じる恐れもあるため、毎年、定期的に説明会を行うとともに、教職員の業務都合で説明を聞けないことを防ぐため、場所、回数、時間などに配慮するよう求めます。

(3) 評価基準の明確化
教職員に対する評価制度を効果的に運用するために、評価した結果について、評価する側と評価される側の双方が納得して、その評価内容を正しく活用することが重要と考えます。
この双方が納得するために必要な事として、評価基準を明確にするとともに、評価基準が双方が納得するような内容であることが重要です。また、評価する側は、その評価基準を十分に理解した上で、評価される側を評価することにより、万人が納得する評価結果となると思われます。
しかし、現在の評価制度では、学生の教育に真摯に取り組んでいる教員に対しての待遇・評価に考慮がなされていないと感じている教員もおり、必ずしも双方が納得された評価基準での評価が行われているとは言い難い状況です。
そこで、評価基準について、教職員からの意見を聴取しその意見に基づき、具体的かつ明確な基準を策定することを要求します。また、策定した評価基準について、公開の上、評価する側と評価される側の双方が納得できるよう、十分な説明と議論を行うことを求めます。
なお、教員に対する評価として、教育活動、研究活動、社会貢献、大学運営など総合的な観点で基準を策定することを望みます。

(4) 評価結果のフィードバックの徹底
現在、評価制度の運用にあたり、評価内容について、評価する側から評価される側に対して説明が不十分であるなど、十分にフィードバックがされていないことが散見されます。このように、評価される側に対するフィードバックが十分になされないと、評価される側がどのように評価されているか不安に思うとともに、評価制度そのものに対する不信感を醸成する要因にもなります。
そこで、評価する側から評価される側に対して、評価理由と評価内容の説明、その内容に基づく助言などアドバイスの実施、評価結果に対する影響の説明などについて、徹底することを要求します。

(5) 評価結果に対する申し立て窓口の確立
評価制度について、人が人を評価するため、評価制度の関する十分な説明、納得された評価基準および、評価者から被評価者に対する評価内容の十分な説明を行った場合でも、勘違いや行き違い、意見の相違などにより、被評価者の納得がいく評価結果にならない場合があります。その場合、そのまま放置すると被評価者が、評価制度や評価者に対して、不信感を持つ恐れがあるため、早期にそのような不信感を解消する必要があります。
そこで、被評価者が評価内容に疑義、質問などがあった場合、公平に検討する事ができる第三者機関としての申し立て窓口の設置を要望します。

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Posted on 1 月 30th, 2014 by admin and filed under お知らせ |