2014年 7 月 11日

大学の自治の否定につながる学校教育法改定に反対する特別決議について

愛知県立大学教職員組合2014年度定期大会 特別決議

2014年6月18日

大学の自治の否定につながる学校教育法改定に反対する特別決議

現在,国会で審議されている学校教育法の改定案は,現行の学校教育法第 93 条の改定により,教授会の存在意義を著しく軽視するとともに,学長が必要と考える事項等について単に意見を述べるだけの限定的な諮問機関にしようとするもので,大学の民主的な運営を損ねる危険性を持っています。
この改定案では,学長が決定を行う際,もしくは学長が必要と認めたものに,学長の求めに応じて,教授会は「意見を述べることができる」程度のものとしか位置づけられていません。これは,これまで大学自治の主体としてその運営を担ってきた教授会の役割を著しく縮小化させ骨抜きにするものです。大学の極端なトップダウン体制は,人事,予算の恣意的運営のみならず,学問の自由すら脅かすものとなりかねません。
そもそも大学は,その歴史を通じて,国家や権力を持った勢力による統制や干渉から学問の自由を守るために大学の自治を確立してきました。大学の自治は,自由で民主的な市民を育成するという大学の使命を果たすためにも不可欠です。日本国憲法23条では学問の自由を保障し,教育基本法7条でもこの趣旨を踏まえ、「大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」ことが規定されています。現行の学校教育法が「重要な事項を審議するため」に教授会を置くことを定め,教授会を基盤とした大学自治の法的枠組みが整備されているのは、大学運営が「自主性、自律性、その他の大学における教育及び研究の特性」の尊重の上におこなわれなければならないことによります。法案の「大学運営における学長のリーダーシップの確立等のガバナンス改革を促進」することをめざす学校教育法の改定は、歴史的に積み上げられてきた日本の大学の自治に背馳するおそれが強く,大学の普遍的使命に照らして到底認められないことです。
以上に鑑み,今般の学校教育法の改定に反対するとともに,今後も教授会の審議を尊重し大学の民主的な運営が行われることを強く求めます。

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Posted on 7 月 11th, 2014 by spokesman and filed under お知らせ |