2013年 1 月 16日

2012年度 学長交渉

2012年11月28日(水)12:10~13:40に学長交渉が開催されました。
以下にその結果をご報告いたします。

議 事
1.教職員評価の適正化について
2.教員の教育・研究環境の確保について
3.給与・手当の改善について
4.安全・安心な職場環境について
5.大学改革への取り組みについて

まとめ

1.教職員評価の適正化について

教員については来年度より本格的に評価を導入するがインセンティブにならないものを含んでは無意味であり、あくまでもポジティブ評価を実施し、特別昇給を復活させて意欲を高めていく、また評価を固定化するわけではないので改善点などは申出て欲しいとの回答を得た。
事務職員についてはヒアリングにおける部課長職の対応姿勢自体を改めていきたいので問題点をまとめて報告して欲しいとの回答を得た。

2.教員の教育・研究環境の確保について
数値にとらわれることなく弾力的な運用をしていきたいとの回答を得た。

3.給与・手当の改善について
人件費に関することは予算内で要望していくことは考えられるがあくまでも法人マターであるとの回答を得た。

4.安全・安心な職場環境について
予算の範囲内で充実を図っていくがまずは防災対策として今後3年をかけて約1,000名分の「水」「食糧」「毛布」の備蓄を進めていくとの回答を得た。

5.大学改革への取り組みについて
「県大はがんばっている」という姿勢を見せないと運営交付金にも影響を及ぼす(来年度、県は一律30%予算カット予定)ため、積極的に大学改革を進めたいが、プロセスにおいては誤解を招くことのないように努める旨の回答を得た。

議事内容

1.教職員評価の適正化について
【組合からの要求】
昨年度の教員評価制度の試行実施を受容した経緯があるものの、試行実施の際に生じた課題や成果の報告はこれまでいっさいなされていない。加えて、今年度については、試行実施をさらに1年間延長するのか、それとも本格実施をめざそうとしているのか、法人・大学当局から何らの提案もなされていない。
事務職員の人事ヒアリングの実施にあたっても、評価の透明性や公平性にさまざまな疑念や課題が生じている。例えば、各部課長とのヒアリングにおいて、単なる世間話で終了したとか、他の職員の評価表を見ることができたなど、上司自らがやる気のない、かつプライバシーも守ることができないなどの問題も明るみになっている。
このため、組合としては、教員導入された評価制度の試行段階での課題ならびに成果の報告とともに現在の複雑な評価制度の簡素化を、また事務職員においては現在の人事ヒアリングの適正実施及び複雑な評価制度の簡素化を要求する。

【学長からの回答】(事務職員に関しては事務部門長)
●教員評価について
評価の波が日本に到来した際、富士通が真っ先に評価制度を導入し失敗している。また、国公立大学では法人化に際していち早く評価制度を導入した長崎大、長崎県立大などを見てきたが、評価制度は不公平感を高めていた。評価制度は日本人には馴染まないと思うが、今日では成果を求められる時代でもあり、昨年度各学部から特に不服申請もなかったため、2013年度より本格実施して行く。
法人matterであるが、試行から本格実施までの手続上のプロセスに不備があったことについてはお詫びしたい。
評価方法については、インセンティヴが機能する形とし、マイナス評価はせず給与を増やすポジティヴ評価として行く。また、大学や学部に貢献した人なども評価に繋がるよう、安定的かつ競争的にバランス良く実施していくが制度自体が微動だにしない訳ではないので、改良アイディアがあれば出していただきたい。
●事務職員評価について
事務職員評価は昨年実施して具体的な苦情は入っていないが、本要求を受けて落ち度がないよう注意したい。

2.教員の教員・研究環境の確保について
【組合からの要求】
教員の教育・研究環境の確保について、2012年度は特に教員の適正配置の観点から、教授枠52%の弾力的運用、担当科目数および負担の不公平是正対策(増担手当)を要求する。
【学長からの回答】
52%枠は財政上厳しいもののできるだけ弾力的に運用していきたいと考えている。また、学部に属さない教員は大学全体の定数に含むものであり、昇進等は全学人事委員会で判断して行く。
役職ポストについては県が認めた役職のみ該当するが、役職ポストと認められていないポスト(教職支援室長等)においても今後必要であれば考えて行きたい。

3.給与・手当の改善について
【組合からの要求】
次期中期計画を実施するにあたり、本学が「なくてはならない大学」をめざすためには、それを担う教職員の給与等待遇改善を基盤とする高度なインセンティヴが必要である。少なくとも、国立大学や全国の同規模公・私立大学と比較して引けを取らない待遇が必要である。
運営費交付金削減の攻撃の中で、組合は、本学の発展の基盤として教職員が将来の生活設計に見通しを立て日々希望を抱いてその業務にあたることができるよう、以下の点を要求する。
○職員とりわけ契約職員の給与改善
○教員の給与・手当の改善
○非常勤講師の待遇改善
○勤務労働条件の不利益変更に対する代償措置の確保等の取り組み
【学長からの回答】
給与・報酬については法人matterであるため、兼副理事長の立場から可能な範囲で回答するが、SA,TAの時給については高度なアシスタントであれば向上もあり得るが、通常授業のサポートレベルならば変更はない。
また、手当についても同様に法人matterであるが、入試手当に関して言えば、大学院入試の作問手当等も制度化したいが、予算上厳しいものがあるため、現状の「超過勤務手当」で支払っている学部入試の作問手当を減額しても良いというのであればあれば見直すことは可能である。
非常勤講師について、報酬が安いことは承知しているが予算上報酬アップさせることは厳しい状況である。またた雇用上限年数についても、公立大学協会などでも問題に挙げられていたが、改正労働契約法に従って考えるならば、年半期の非常勤講師は問題ないが通年契約の場合や任期制教員の場合は上限年数を5年としなければならない。
また、勤務労働条件の不利益変更に対する代替措置は、法律上の要請ではないので新たに制度を設けることはない。

4. 安全・安心な職場環境について
【組合からの要求】
東日本大震災の惨禍をふまえ、また、東海・東南海・南海連動型地震に対応した本学としての防災対策の取り組みの強化を要求する。また、学内環境並びに教職員や学生の安全確保の観点から以下の項目について要求する。
○学内防犯体制・設備の充実
○救命機器の充実と訓練の実施
○屋外夜間照明の増設
○リニモ駅から本学までの安全確保
○学生相談体制の開設
【学長からの回答】
今後3年間で学内に約1,000名分の「水」「食糧」「毛布」の備蓄を進める。また学内環境や安全確保の項目については、予算を照らし合わせながら優先順位を決め順次対応して行きたいが弁護士による学生相談体制やリニモ駅からの安全確保は予算上、管轄上の問題から実現は困難である。

5.大学改革への取り組みについて
【組合からの要求】
2012年度は、来年度から6年間の次期中期計画策定の重要な年度であり、教授会自治を基盤とする全学の民主的協議に基づく県大の将来像の構築が求められている。そのために、学長が教職員の信頼を確保しつつ適切なリーダーシップを果たすことを要求する。なお、このことについて重大な疑念もあることから、学長交渉の場で見解をうかがうこととする。
【学長からの回答】
できるだけ民主的に運営し、双方誤解のないよう進行して行きたいが、民主的運営と大改革は両立し難い。教授会など全ての了承を得つつ進行させていくのは事実上困難である。
●教養教育センターについて
教養教育は旧県大時代から近しい分野の学部に頼った形で成立していたため責任の所在が曖昧なままであった。このため2013年度より教養教育センターを設立し、責任所在を明確にするとともに、科目設置や設置科目を通じていかなる人材育成をはかるかについては次年度をかけて考案していく予定である。なお、事務職員の配置や業務負担については、既に決定しており業務負担増にはならないようになっている。
また、教授会における教養教育センター設立に関する反対意見については、個々の意見が報告されているに過ぎず、学部総意の反対は出ていない。
●法人化後の次期中期計画策定について
法人化する際に当時副学長として戦ったが夜間主募集も停止となり厳しい船出となってしまった。県は一律30%の予算カットを実施する予定であるとのことであり、我々も同様の交付金カットがされぬよう、県大の存在意義を最大限見せていくことが必要不可欠である。このため覚悟を決めて臨んで行きたい。

以 上

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Posted on 1 月 16th, 2013 by spokesman and filed under お知らせ |