2019年度労使交渉総括
2019年度労使交渉総括
2019年度の労使交渉の総括をし、組合員向けに公表しました。ここではそのうち「分析」部分だけ投稿することにします(それぞれの番号は、要望書と回答の番号に対応しています)。この総括は、来年度のブロック会議で資料として利用してもらうことを想定しています。
2019年度労使交渉総括(抜粋)
1 教員の研究環境改善要求
①回答は担当委員のみに負担が集中しない工夫するとしている。この点について具体的な取り組みがどのようになされるか、各学部の組合員に注視して頂きたい。「共に検討する」ことも回答されているため、もし具体的な取り組みがなされていないと執行委員会に報告された場合には、労使交渉の場に各学部長の出席を求めることも一案である。かつて労使交渉の場には各学部長が出席していたが、現在では出席していない。具体的にいつからそうなったか調査中であるが、事情が分かる方があれば執行委員までご連絡いただきたい。
②回答は、教務委員に業務が集中する傾向にあることを認識している。そのうえで各学部・学科に対して働きかけていくことを明記しているので、①と同様、各学部の組合員に状況を注視するようお願いしたい。十分な改善がみられない学部においては、当該の学部長に対して要望書を提出することも一案である。
③会議について全学的な把握は困難な状況にあると回答しているが、この記載は、研究以外の業務について教員がどれほど労働しているか把握できていないことを示している。「働きすぎ」になる可能性が高いと指摘されている裁量労働制を採用している以上、計測が可能な会議時間は把握されるべきではないか。この点について改善が見られない場合には、労働時間等設定改善法に基づき、労働時間等設定改善委員会を設置するよう要望することも考えられる。
④この回答も①および②と同様に各学部での対応を求めるものであり、各学部の組合員に注視するようお願いしたい。
⑤回答では食料費の扱いについて「他大学の取り扱いを踏まえ」とあるが、ここは「全国的ルールを踏まえ」と訂正するよう要望するのが望ましいのではないか。学振のルールで認められていることが本学で認められないという実態は理解しがたい。現在、教員向けに研究費についてのアンケートを実施することを検討中である。
2 正規職員の労働環境改善要求
①②年度当初に想定されていない業務量の増加について、回答では対応に「努めております」としているが、これは、それが不十分と考える組合の認識と異なる。現実的で柔軟な対応を実施するよう、来年度執行委員会も強く要望するよう期待したい。
③ 回答通り実施されることを期待したい。職員の組合員には実施状況を注視するようお願いしたい。
3 契約職員の正規職員としての雇用
①新規採用者を大量に採用することは難しいとしても、優秀な契約職員がいるかどうか判断するプロセスがまったく無い現状は問題である。来年度執行委員会も引き続き優先枠の設定を要望するよう期待したい。
②この点について実現することは組合に対して2月3日に事前提示された。その際、契約職員に説明会が開催されることも伝えられたので、組合員には2月6日にメーリングリストで概況をお知らせした。
③法人化後も設置団体の制度との均衡に強い配慮がなされている点は残念である。職員の組合員には、設置団体における制度変更について注視するようお願いしたい。
4 安定的な労使交渉環境の創出
① 回答は労使間の安定的な関係を創出することに寄与するものであり、高く評価したい。
②③この回答は過半数代表者選挙規程について触れていないが、2月13日に開催された労使間の協議において、2020年度中の制定を目指して努力することが法人より表明された。この点について高く評価したい。なお、過半数代表者選挙規程案については労使間で十分な協議がなされることも、あわせて表明された。
④ 回答後に労使間で協議が行われ、いくつかの修正がなされたのち、2月18日に「安定的な労使関係に係る覚書」が締結された。労使間の安定的な関係を創出することに寄与するものであり、高く評価したい。
⑤要望通りの期日で回答がなされたことを評価する。
5 民主的な大学運営の実現
①②③ 本組合は労使交渉の場で、①公募要項作成後のプロセスに変更はないこと、②学長選挙での「所信表明書」で「教授会の議論と意見の尊重」を明言したことに何の変わりもないこと、を確認した。それが十分実施されるかどうかについて観察するよう、組合員それぞれにお願いしたい。なお、本組合は学内における民主的な運営を注視する役割を担うものと考えているが、本来、各学部や学科が担うべき役割を代替できるものではないので、今回の件については十分に組合としての役割を果たしたものと認識している。