2018年度 労使交渉結果
2019年1月31日
愛知県立大学教職員組合
執行委員長 樋口 浩造 殿
愛知県公立大学法人 理事長 鮎京 正訓
愛知県立大学 学長 久冨木原 玲
2018年度労使交渉要望書について以下のとおり回答します。
1 契約職員の雇い止めの停止と無期転換(回答)
月給契約職員で、平成25年4月以降に継続する雇用期間が5年を超える(5年ちょうどは含まない)者については、本人からの申し出により無期転換します。
月給契約職員は、公募の際、更新回数の上限を明示のうえ採用しています。また、毎年度、残りの更新回数を明示した雇用条件通知書を本人に交付しています。
一般職が5年の任期満了後に再受験できないことについては、平成24年度に、組合にも協議の上、就業規則を改正し確定したもので、制度改正時及び平成29年6月に説明会を開催し、周知を図っております。
以上の理由から、退職は、あくまで任期満了によるもので、再雇用しないことは解雇には当らないと考えております。
平成25年4月1日採用で、平成30年3月31日に任期満了となる一般職を対象として特例的に実施した無期転換選考の今後の取扱いについては、契約職員制度の検証を行う中で、他大学の動向を踏まえながら引き続き検討してまいります。
なお、更新を前提としない雇用期間を含め平成25年4月1日以降の通算雇用期間が5年を超える者について、本人からの申し出により無期転換することとしたこと及び他の公立大学の状況を踏まえ、今年度は無期転換選考を実施しません。
2 契約職員身分、待遇の改善要求(回答)
契約職員は、専任職員の指示に基づき一般的な業務に従事するなど、専任職員とは、業務内容、責任度合いなどが異なるため待遇にも違いがあるものと考えます。
本来、専任職員が担当すべき業務を契約職員に従事させることがないよう所属長を通して、指導を徹底してまいります。
休暇の取扱いについては、愛知県の状況等も参考にしつつ、必要な対応については前向きに対応してまいります。
3 職場環境改善への取り組み
業務削減や職員研修の充実は、引き続き行っていきます。 研究支援の重要性は認識していますが、さらなる人員の配置や業務の集約化は、法人全体の人員構成を踏まえつつ検討する必要があります。
4 正規職員増員の要求(回答)
法人化以降、専任職員を減らしたことはなく、単純な専任職員の増員は難しいと考えます。
他大学の人員配置等も参考にしながら、所属ごとに人員配置のバランスが悪い部分は改善を図っていきます。
月給契約職員は定数を上回った配置をしてきており、契約職員制度について検証すべき時期にきていると認識しています。
時給契約職員は、業務の繁忙にあわせ、臨時的に雇用されるものです。時給契約職員を予算の範囲内において、どのように配置するかは各所属において検討されており、本来正規職員が担当すべき仕事に契約職員を従事させている場合は、所属長を通して、そのようなことのないように指導を徹底していきます。
5 民主的な大学づくりへの取り組み(回答)
様々な意見を自由に発言できる、風通しの良い職場にしなければならないというのは、共通の思いであり、教職員が大学づくりのイメージを共有できるよう様々な機会を通して意見の調整を図ってきました。今後も民主的な大学づくりに努めていきます。
6 非常勤講師予算拡充の要求(回答)
非常勤講師予算については、29年度に教養教育の新カリキュラムの完成年度を迎えたことから、旧カリキュラム等への対応のための暫定措置分の段階的削減が行われました。大学の運営財源には限りがあることから、現在の非常勤予算の規模は妥当なものと考えます。
7 運営費交付金削減停止の要求(回答)
運営費交付金算定方法については、県の所管部局と協力しながら粘り強く交渉を行い、効率化係数による1%削減は継続されるものの、効率化の対象経費において、新たに人件費は全て対象外とするなど、一定の交渉成果をあげることができました。この結果、第3期中期計画中の削減額は第2期と比べ3分の1程度に圧縮される見込みです。
以上
2018年度 労使交渉
2018年度労使交渉: 要望書
2018年11月22日
愛知県立大学教職員組合
1 契約職員の雇い止めの停止と無期転換
勤続5年を越える契約職員については、法律上無期化の要望があれば無期化しなければならない。無期転換に際し、試験を行うことは違法と考える。したがって、無期化を求めた者には、試験を拒否したとしても無期化の権利があると考えるが、いかがか。無期化しないような対策を考えるより、無期化するにはどのような手立てがあるか考えるべきである。
契約満了で再雇用しないのは労働契約法19条に照らして解雇にあたると考える。適切な解雇の理由が示されない限り不当である。契約期間の全体が5年になる者の契約更新を拒否する場合は、理由の提示を求める。
今年度も、ポストがあれば昨年度と同じ基準で無期転換試験が行われると聞いている。ポストがあるかどうかについて早急に公表してもらいたい。また、今後についても、事業計画を明確にし、採用の有無を早期に明らかにして、無期転換が可能になるよう考えてもらいたい。
2 契約職員身分、待遇の改善要求
契約職員は、給与が低い、共済に加入できないなど、職員としての待遇面で不利益を被っている。同一労働同一賃金などの流れから、契約職員の待遇は改善されるべきであると考える。
たとえば、有給休暇は、勤務時間から算定されているが、正規職員が38時間45分の勤務時間で20日の有給休暇であるのに対し、契約職員は33時間45分で10日(採用初年度)の有給休暇しかないのは非合理である。特別休暇や療養休暇などが取れるような制度改革が必要であると考える。
とくに、出産休暇が無給であること、生理休暇やつわりがひどい場合の休暇がないことは女性職員を雇用する上で適切ではない。また、自然災害による休暇などの特別休暇は正規職員と同等の待遇とされたい。また、順次、取得可能な特別休暇の範囲を広げていくことを求める。
3 職場環境改善への取り組み
現在、職場環境において直面する最大の問題は、人員不足である。人件費を法人内部で捻出することが難しい状況であることは、これまでの交渉などを通じて理解している。今後、外部資金や基金を充実させるべきとする法人の意見には賛成だが、そのためには事務局の研究支援体制を充実させて欲しい。研究支援機能を持つ課の人員及び業務知識・スキル等の充実など、ボトムアップでは変革が難しい内容について、法人が積極的に支援するべきである。その実現のため、全体的な業務削減によるマンパワーの確保や職員研修の充実などを行ってもらいたい。
例えば、県大における「研究支援」「外部資金」「受託研究」等に関する部署・職員配置のあり方や大学・法人としての方向性についてお答えいただきたい。
4 正規職員増員の要求
正規職員の増員を求める。人員確保について長期的ビジョンを示していただきたい。
正規職員に比して、契約職員が多いという実態は職場として不健全である。契約職員の雇用期間が5年なのに、正規職員の補助的な仕事だけではなく、本来正規職員が担当すべき責任の伴う仕事を担当していることがある。これは、業務分担が適切ではないことを示している。正規職員の数が足りず、責任の伴う仕事を契約職員がしなければいけないのであれば、契約職員の正規化が必要である。
また、時間給職員の「休業」は業務に悪影響をもたらしている。とくにこの休業が繁忙期に重なることによって業務停滞が生じることは大学にとって由々しき事態と言わざるを得ない。この点でも、非正規職員を正規職員に転換し、業務が滞らないような事務体制を築くべきである。
5 民主的な大学づくりへの取り組み
現在、民主的な大学運営が崩れつつあることが問題となっている。とくに、運営費交付金の削減により、有無をも言わさぬ人員削減が行われていると耳にすることが多くなっている。本学においても、予算がないことを理由に非常勤講師の担当コマ数を削減するなどの問題が現場では進行しつつあり、教育の質の低下が懸念される。
教員や職員からの意見を聞き取ることは行われているものの、実態は上で決められたことをやらされているだけになっているのではないか。上司がとくに指示していない事柄も、末端の現場では「忖度」によって強制されている実態があるのではないかと懸念される。
理事長も学長も民主的運営に反することはないとしているが、それを保証することができるか。
6 非常勤講師予算拡充の要求
非常勤予算の削減が教育の質を非常に低下させる状況になりつつある。教育の質を保つためには非常勤予算を確保することが重要である。例えば、語学授業では、受講生が多すぎれば授業として成り立たない。
本組合としては非常勤講師の増加(または現状の維持)と待遇改善(非常勤単価の増額)を求める。
7 運営費交付金削減停止の要求
県に運営費交付金削減の停止を求めることは、すでに労使共有の課題であることは確認されている。この間、県からの通知はどうなっているか。今後の動きはいかがか。